住宅用消防設備の法規制の概要と種類について
火災の統計をみますと、火災は6種類に区分されています。建物火災、林野火災、車両火災、船舶火災、航空機火災、その他の火災です。この区分は容易にお分かりかと思いますが、その他の火災とは、前5種類以外の火災です。例えば、外においてあったゴミの袋に放火されて燃えたものなどです。年に関係なく建物火災が約6割を占めています。その中でも住宅の火災が約5割弱を占めています。火災によって、亡くなった方も住宅火災の比率が高くなっていまして、特に高齢者の占める割合が高い傾向にあります。この傾向は、今後、高齢化社会が進むことを考えますと、一層強くなることが懸念されます。
消防法施行令第7条では、消火設備や警報設備などが定められ、消防法第17条の3の3においては、消防設備の点検報告制度も定められています。しかし、これらの消防設備の規制は、学校、事務所、ホテル、病院などの事業所と呼ばれる範疇のものに対する規制です。住宅に関してはこれらの規制は及びません。その根本的な考えには、個人の住居については、法の強制力を制限する「警察比例の原則」という考えがあります。警察といっても、警察官の仕事のみではなく、マルサと呼ばれる税務署の強制査察や、海上保安庁の海上での捜査、麻薬取締り官の麻薬の強制徹集なども、広い意味で「警察」と呼ばれています。消防に関しては、デパートなどの査察が該当します。警察比例の原則とは、これらの公権力は強制力を伴いますので、必要最小限に行使すべきということです。
火災に対しては統計的にも住宅による火災の犠牲者の発生が危惧されることから、努力規定として条例によりまして住宅用の消防設備を設置するように規定されておりました。しかしながら高齢化社会を踏まえて、消防法では、法改正により、平成18年より住宅用火災警報器の設置が義務づけられました。この改正は当初は新築に対しての規制で、平成23年までには、既存(すでに建てられている住宅)のものにも適用されることになりました。
住宅用の数ある消防設備の中で、住宅用火災警報器が消防法で規制されたことは住宅の火災による犠牲者を軽減させるための効果的な規制ですね。
住宅用消防設備には、このほかにも、住宅用消火器、住宅用スプリンクラー設備、簡易型消火設備などがあります。住宅用消火器は、小型の形状で詰め替えの必要がないもので、5年ごとに取り替えるものです。住宅用スプリンクラー設備は、水道の圧力でも消火できるスプリンクラーヘッドが開発されまして、水道管に直結して設置しますので、ポンプや水槽などの必要のない簡易なものです。簡易型消火設備は、消火液の入った小型のタンクを天井に取り付け、火災の熱を感知して自動的に消火液を放出するものです。このように住宅用の消火設備は種種ありますが、住宅用火災警報器が消防法で規制されたことは、住宅の火災から犠牲者を軽減させるための第一歩となることでしょう。